【外国人採用でやりがちな失敗10選】制度・文化・実務の落とし穴とその回避法

「外国人を採用したのに、早期離職でコストだけ残った――」
現場からは今もなお、そんな声が後を絶ちません。
失敗パターンと回避策を把握することが、採用競争を制する鍵になります。
本記事では最新データとリアルな事例をもとに、採用から定着までの“落とし穴”を一気に俯瞰します。
対象読者:企業の人事担当者・経営層/すでに外国人を採用している・これから検討する現場責任者/移民政策に関心の高いビジネスパーソン
この記事で得られること:
- 最新データで裏づけた「ありがちな失敗パターン」
- 具体的な回避策+社内導入チェックポイント
- 関連制度・支援策・深掘り用記事へのワンストップ導線
目次
- 1 1.はじめに──なぜ“失敗”は繰り返されるのか?
- 2 2.よくある“失敗あるある”10選
- 2.1 ①在留資格のミスマッチ|いい人材でも、働けないことがあります
- 2.2 ② 日本語での意思疎通ができない|「N2なら安心」は勘違い
- 2.3 ③ 在留資格の更新忘れで退職|「いつ切れるか」を誰も把握していなかった
- 2.4 ④契約書の翻訳ミスでトラブルに|労働条件の認識のすり合わせが大切
- 2.5 ⑤ 文化ギャップの放置|「察して」は通じない
- 2.6 ⑥ 待遇格差|「同じ仕事なのに…」が不満の火種に
- 2.7 ⑦ スキルの過小評価|「単純作業だけ」ではもったいない
- 2.8 ⑧ 適当な仲介業者利用|「安さだけ」で選ぶと高くつく
- 2.9 ⑨ 助成金の取り逃し|「あとから」では間に合わない
- 2.10 ⑩ 法改正の見落とし|“毎年変わる”ため注意が必要
- 3 3.失敗を防ぐために企業ができる5つの準備
- 4 4.信頼できる支援制度・専門家の活用
- 5 5.まとめ
1.はじめに──なぜ“失敗”は繰り返されるのか?
「外国人ってすぐ辞めるって本当? そもそも採用自体が難しいのでは?」
そんな不安を抱える採用担当者は少なくありません。まずは“いま”の状況を、数字で見てみましょう。
📊 最新データで見る「外国人採用の現実」
- 外国人労働者は過去最多 2,302,587人(2024年10月末時点)
前年比+12.4%と、年々増加が加速しています。
すでに多くの企業が「外国人なしでは成り立たない」フェーズに突入しています。 - 一方で、日本人従業員の45.8%が「外国人とのコミュニケーションに課題あり」と回答(2024年6月調査)
言語だけでなく、指示の受け取り方や時間感覚、
報連相の違いなど、現場での“すれ違い”が摩擦の火種になっています。 - さらに注目すべきは離職率。外国人労働者の1年以内離職率は28.0%(2025年1月、民間調査)
一方で、日本人新卒の1年以内離職率はおよそ11.5%(厚労省・2024年版)。
外国人の方が 2.4倍以上、早期離職しやすい という実態があります。
❗どうしてそんなことに?
採用ニーズは右肩上がり。でも受け入れ体制の課題が残る――
「制度理解の不足」「文化ギャップの放置」「実務オペレーションのズレ」
この3つの“歪み”が、せっかくの採用を“早期離職”に変えてしまう最大の要因です。
🔍本記事でわかること
そこで今回は、よくある“外国人採用の失敗パターン10選”と、具体的な回避策を紹介します。
実際の現場で起きたトラブルや定着成功の工夫も交えながら、御社の採用・育成のヒントになればと思います。
採用の損失を防ぎ、競争力につなげる第一歩としてお役立てください。
2.よくある“失敗あるある”10選

①在留資格のミスマッチ|いい人材でも、働けないことがあります
典型例:
「人手が足りないから、良さそうな外国人を見つけたので採用したい」
でもいざ手続きを進めたら、“その仕事内容では在留資格が取れない”と言われてストップ。
実はこれ、意外とよくあるトラブルです。
背景:
外国人を採用する際には、
「その人が持っている、または申請予定の在留資格で、実際に自社の業務ができるのか?」という視点が不可欠です。
つまり、採用前にはこの3点を明確にする必要があります:
① 自社が任せたい仕事は何か?
② その仕事は、どの在留資格で働けるのか?
③ 候補者はその在留資格を持っているか?持っていない場合、取得が可能か?
この確認を怠ると、どんなに人物が優秀でも法的に雇用できないという事態に直面します。
💡2024年後半、在留資格変更の「不許可件数」は前年比18.7%増加。
特に多かったのが、「実際の仕事内容と申請された在留資格の不一致」による不許可。
(出入国在留管理庁)
ポイントは、採用判断の前に“在留資格は問題ないか”を見極めること。
制度の理解が甘いと、意図せず“違法雇用”や“無効内定”につながることもあります。
② 日本語での意思疎通ができない|「N2なら安心」は勘違い
典型例:
「日本語能力試験N2を持っているなら、ある程度会話もできるだろう」と思って現場に配属。
しかし、業務指示が伝わらず、確認もされず、納品ミスや報告漏れが多発。
結果として、現場のトラブルに発展してしまった。
背景:
N2は「新聞の見出しが読める」「日常会話に支障がない」程度の水準ですが、
職場で使われる業務用語やあいまいな日本語表現(例:「それ、やっといて」など)には対応できないケースが多いのが実情です。
💡介護業界の調査(2024年・全国施設連絡会)によれば、
N2保持者の約65%が「職場用語の理解に苦労している」と回答。
特に専門用語や略語、曖昧な指示にストレスを感じる傾向が顕著でした。
また、読み書きよりも「聴いて理解し、即座に判断する」コミュニケーションが求められる職場では、
N2では不十分な場面も多く、N1保持者であっても業務への適応に苦労することもあります。
ポイントは、“N2保持者=業務に支障なし”とは限らない、という現実を意識しておくことです。
語学力の見極めは資格だけでなく、職場の言語環境と仕事内容のレベル感に合わせた確認が重要になります。
③ 在留資格の更新忘れで退職|「いつ切れるか」を誰も把握していなかった
典型例:
在留カードを見て「まだ1年以上あるな」と安心していた。
ところが、実際の期限は“あと3週間”。
更新の準備が間に合わず、申請遅れ → 在留資格の失効 → 即戦力が退職という最悪の事態に。
背景:
在留資格の有効期限は、個人ごとにバラバラ(1年・3年・5年など)。
にもかかわらず、「まとめて管理されていない」ケースが少なくありません。
担当者が変わる/システムが非対応/紙の書類に頼っていた…どれか一つでも当てはまると、更新忘れは起こります。
しかも、ビザ更新のためには以下の書類が必要になることも多く、準備には1〜2ヶ月かかるのが普通です:
- 労働契約書
- 勤務内容の詳細説明書
- 給与証明書(源泉徴収票など)
💡2025年1月時点、入管庁のデータによると、
更新申請の遅れによる在留資格の喪失が前年比+21.3%。
特に中小企業では、「会社側が期限に気づいていなかった」ことによる離職が急増しています。
ポイントは、「人材の管理」だけではなく「資格の管理」が必要であるということ。
就労ビザの管理ミスは、一人の退職で済まないこともあります。
在留資格の更新遅れが発覚した結果、行政からの指導や信用低下につながる例も出ています。
④契約書の翻訳ミスでトラブルに|労働条件の認識のすり合わせが大切
典型例:
「給料にみなし残業代が含まれているつもりだった」という企業側。
一方で、外国人労働者は「契約書には“残業代は全額支給”と書いてあるから、みなし残業はないと思っていた」。
――たった一文の翻訳の違いが、労使トラブルに発展したケースです。
背景:
労働契約書は、法的には日本語のみでも有効とされています。
しかし、外国籍の労働者に対しては、
「契約内容を正確に理解してもらう」ことが、実質的に企業の責任になります。
特に近年では、雇用条件通知書や就業規則などを英語や母語に翻訳して渡す企業が増えています。
その一方で、機械翻訳や不正確な表現が使われた結果、
契約内容が誤って伝わってしまうトラブルも少なくありません。
💡2024年の労基署通報事例のうち、
外国人労働者が関与したものの18.4%が「契約内容の誤認」に関するトラブルでした。
(出典:労働政策研究・研修機構)
ポイントは、契約書は「書いてあること」がすべてだということ。
どれだけ“そういうつもり”だったとしても、翻訳ミスによって意味が変わっていれば、
会社側の説明不足や確認ミスが“過失”と見なされることは少なくありません。
契約書は「書いた側」ではなく、「読む側」がどう受け取るかが重要です。
翻訳のミスや曖昧な表現は、会社の信頼を損なう大きなリスクになります。
⑤ 文化ギャップの放置|「察して」は通じない
典型例:
新人に「これ、やっといて」と言ったら、そのまま1時間座っていた。
「指示を待つ文化」と「自分で動く文化」のすれ違い。
背景:
日本人が「当たり前」と思うことでも、出身国によっては真逆の常識。
「言われていない=やってはいけない」という受け取り方をされることもあります。
代表的なギャップには、次のようなものがあります:
①「指示されていないことはしてはいけない」という前提
→ 指示がなければ動かない、確認を取らない。
勝手に判断することを「悪いこと」と感じる文化圏もあります。
②「Yes=理解した」ではない
→ 話の途中で「はい、はい」と相槌を打っていても、実は内容をよく理解していないケースも。
聞き返すことに抵抗がある文化も多く存在します。
③仕事とプライベートの線引きが明確
→ 日本では「ちょっと残って手伝う」などの暗黙の了解が存在しがちですが、
それが通じず「頼んでないのに残業してない」と受け止められることもあります。
厚生労働省の調査によれば、外国人労働者の雇用に関する課題として、
「文化、価値観、生活習慣等の違いによるトラブルがある」と回答した事業所は
19.6%にのぼりました。 RISE for Business+2厚生労働省+2PSRN+
ポイント:文化の違いは、“話し方”だけでなく“考え方・働き方の前提”にまで及びます。
「伝わるように話す」だけではなく、“違う前提で動く人と一緒に働く”というマネジメント姿勢が求められます。
一方的に「理解してもらう」ではなく、双方向の理解とすり合わせの機会を仕組みとして持つことが、職場の安定と信頼構築につながります。
⑥ 待遇格差|「同じ仕事なのに…」が不満の火種に
典型例:
外国人労働者が日本人と同じ業務をしているにもかかわらず、昇給や賞与の基準が不透明で、不満が蓄積。
背景:
日本の企業では、年功序列や勤続年数による昇給が一般的ですが、
外国人労働者には理解されにくい場合があります。
また、評価基準が明確でないと、不公平感が生じやすくなります。
確認すべき3点:
- 昇給や賞与の基準を明確にし、全従業員に共有しているか?
- 外国人労働者にも評価制度を理解してもらっているか?
- 定期的なフィードバックや面談を実施しているか?
ポイント:
待遇の公平性を保つためには、評価基準や昇給制度を明確にし、全従業員に周知することが重要です。
外国人労働者にも理解しやすい形で説明し、納得感を持ってもらうことが、定着率向上につながります。
⑦ スキルの過小評価|「単純作業だけ」ではもったいない
典型例:
特定技能を持つ外国人労働者を、単純作業にのみ従事させ、能力を活かせずに早期離職。
背景:
外国人労働者の中には、高度なスキルや資格を持つ人も多くいますが、
それを活かす機会が与えられないことがあります。
これにより、モチベーションの低下や離職につながる可能性があります。
確認すべき3点:
- 外国人労働者のスキルや資格を正確に把握しているか?
- キャリアパスや成長の機会を提供しているか?
- スキルアップのための研修や支援制度を整備しているか?
外国人労働者のスキルや資格を正しく評価し、適切な業務に従事させることが、定着率の向上につながります
ポイント:
外国人労働者の能力を最大限に活かすためには、適切な評価と成長の機会を提供することが重要です。
単純作業だけでなく、多様な業務に挑戦できる環境を整えることで、定着率の向上が期待できます。
⑧ 適当な仲介業者利用|「安さだけ」で選ぶと高くつく
典型例:
「手数料が安いから」という理由で仲介業者を決めたら、紹介された人材に違約金付きの契約が課されていた。
本人は不満を抱え、数カ月で退職。企業も“知らなかった”では済まされず、炎上&信頼失墜に。
背景:
外国人採用において「仲介業者選び」は事業の入口です。
表面上はスムーズな業者が実は、
- 労働者に違約金や違法な手数料を課している
- 必要な書類や在留資格の知識がない
- 労働者に高額な違約金や罰則付き契約を課している
など、“見えないリスク”が潜んでいるケースも多くあります。
2023年の出入国在留管理庁報告によれば、「不適切な仲介業者の利用によるトラブル」事例として、
不当な費用請求曖昧な契約、雇用側との連携不足などが多数報告されています。
(出典:出入国在留管理庁 外国人材受入れ状況)
ポイント:
「登録支援機関だから安心」「手数料が安いからうれしい」――そんな選び方には危険もあります。
仲介業者を選ぶ際には、制度的ステータスや評判だけでなく、
“どんなプロセスで、誰をどう届けるか”に目を向けるべきです。
不誠実な業者を使えば、どんなに優れた人材でもすぐに辞めます。
慎重に選ぶべきは“人材”だけでなく“業者”もです。
⑨ 助成金の取り逃し|「あとから」では間に合わない
典型例:
外国人を5名採用し、採用・初期研修・日本語教育・生活支援にも費用をかけたが、
後から「特定技能外国人支援助成金」や「職場定着支援助成金」が使えたと知り、悔しさと反省が残る。
「最初に知ってさえいれば…」と思っても、申請期限はもう過ぎている。
背景:
外国人雇用に関する助成金制度は実はかなり充実しています。
しかし、厚労省・自治体・出入管それぞれがバラバラに出しており、
「制度が複雑で、探しきれない」というのが最大の問題です。
また、そもそも調べていない企業も多いのが現実です。
確認すべき3点:
① 採用前に「外国人雇用に関する助成金一覧」を調べて比較しているか?
② 自社が対象になる助成金(地域、業種、人数)を洗い出しているか?
③ 自力申請が難しい場合、社労士や専門家への依頼を検討しているか?
データ・資料出典:
厚生労働省「人材開発支援助成金」には「特定技能外国人向け訓練コース」があり、
研修費や賃金に最大50万円〜200万円の助成が行われています。
(出典:厚生労働省 人材開発支援助成金)
ポイント:
採用や支援コストは「すべて会社持ち」と思い込まず、助成金は“制度的レバレッジ”として活用すべきです。
毎年見直しが入るため、「去年調べたから大丈夫」も禁物。せっかくの制度は使いたいところです。
⑩ 法改正の見落とし|“毎年変わる”ため注意が必要
典型例:
技能実習の外国人が在籍していたが、制度が育成就労に移行していたことを見落とし、
更新要件や支援義務が変わったことに対応できず、就労資格外活動と見なされ罰金&契約終了に。
「入社した時は問題なかったのに…」
背景:
外国人雇用を取り巻く制度は、どんどん更新されております。
今や“固定のルール”ではなく「動く前提」で考えるべき領域になっています。
特に以下のような変化がここ数年で立て続けに起きています:
- 技能実習制度の廃止と「育成就労」への全面移行(2027年目処)
- 特定技能制度の見直し(受け入れ業種の拡大/永住・家族帯同の方向性)
- 在留資格の更新要件や就労範囲の柔軟化
- 支援義務の法制化と罰則強化
これらは「いつの間にか変わっていた」では済まされない内容ばかりです。
採用・定着の現場で対応しきれなければ、計画倒れ/違反リスク/人材流出の三重苦が待っています。
確認すべき3点:
① 法務省・出入管・厚労省などの改正情報を定期チェックしているか?
(例:出入国在留管理庁の制度改革PDFは年に数回更新されます)
② 「この変更が、自社の誰に関係するか」を実務レベルで整理しているか?
(特定技能対象者?技能実習の新規停止?支援体制への影響?)
③ 社内の共有体制 or 外部の相談窓口(行政書士等)を確保しているか?
(制度は変わって当然、という意識で“相談できる先”があるか)
データ・資料出典:
2023年11月の「外国人材受入れ制度の見直し方針」では、
技能実習制度の廃止と、新制度「育成就労」への移行が閣議決定。
同制度では、転職の自由化や支援義務の厳格化、
受け入れ目的の変更(“人材育成型”)が明記されており、
2027年までに全面切り替え予定。
(出典:法務省 PDFリンク)
ポイント:
法改正は「いつか来る」ではなく、「毎年ある」ものです。
採用担当者・現場責任者・経営陣が“制度リテラシー”を持つことが、今後の外国人雇用の前提条件になります。
“知らなかった”では済まされないため、情報の感度と備えが人材戦略の強さになります。
3.失敗を防ぐために企業ができる5つの準備

これらのトラブルは、事前の備えでほとんど防げます。
ここでは、外国人労働者を雇用する企業が事前に整えておきたい実務的な準備項目をまとめました。
正しい準備は、採用の失敗を防ぎ、スムーズな定着と事業の成長につながります。ぜひ参考にしてください。
① 在留資格の確認と適切な職務の割り当て
ポイント: 外国人労働者が持つ在留資格が、予定する職務内容に適合しているかを確認することが不可欠です。
- 在留カードの「就労制限の有無」を確認
- 職務内容と在留資格の対応関係をチェック
- 必要であれば在留資格変更や資格外活動許可を取得
適切な対処例:
面接時に外国人候補者の履歴書を確認、法務省の在留資格一覧と照らし合わせて業務内容を明確化。
「翻訳+英文事務」の業務に対して「技人国ビザ」で就労可能であることを確認し、採用へ。
② 雇用契約書の作成と労働条件の明示
ポイント: 外国人労働者にも理解できる言語で契約書を交付し、労働条件を明確に説明します。
- 労働条件通知書を交付(勤務時間・賃金・業務内容など)
- 契約書は日本語+英語または母国語併記
- 内容説明は通訳付き、またはやさしい日本語で実施
適切な対処例:
採用決定後、雇用契約書を作成し、
外国人労働者と通訳スタッフが同席する場で、
就業規則や残業ルールを説明。本人からの質問にもその場で対応し、不安を残さず署名へ。
本人が「はい」「分かりました」と答えても、念入りに確認を。
「言われていない」を避けるため、重要な内容は繰り返し伝えるのが大切です。
③ 就労ビザの申請と在留資格の取得
ポイント: 雇用契約に基づいて、適切なビザ(在留資格)の取得手続きを支援します。
- 「在留資格認定証明書交付申請」は企業が主導
- 職務内容・役割を明記した書類を添付
- 外国人本人との情報共有を密にして申請
適切な対処例:
内定通知と同時に、
在留資格認定に必要な書類一式(契約書、業務内容書、登記事項証明書など)を社内で確認。
申請までのスケジュールを策定し、外国人内定者が用意する必要書類も含め、
本人と連絡を密に取りながら申請書類一式を準備。
④ 労働条件の均等待遇と職場環境の整備
ポイント: 外国人労働者に対しても、日本人と同じ待遇・評価制度・職場環境を用意することが信頼につながります。
- 昇給・等級制度を明文化し共有
- 差別防止ポリシーを掲示・研修化
- 外国語対応の相談窓口や定期面談を導入
適切な対処例:
入社後、事前に説明していた評価制度に沿って就労。
定期的な面談や相談機会を設け、業務の進捗や不安の有無をチェック。
社内体制や役割分担が変更された場合も、
その都度説明することで、納得感と信頼を育むことができる。
⑤ 法令遵守と定期的な情報収集
ポイント: 外国人雇用に関する制度は年々変化しており、常に最新情報に基づいた対応が必要です。
- 出入国在留管理庁・厚労省の発表を定期チェック
- 制度変更が採用計画にどう影響するかを年次で見直し
- 外部の行政書士や支援機関との連携を確保
適切な対処例:
人事担当者や経営陣、現場スタッフで最新のビザ関連法改正、
助成金制度の動向をチェックし、内容を整理。
変更点が採用実務や支援体制に与える影響を社内で共有し、対応方針を調整。
部門をまたいだ情報連携が実現。
💡補足:どの項目も、行政書士に相談しながら進めるのが最も安心です。
とくに在留資格・契約内容・法令改正への対応は専門的な知識が必要になります。
自社だけで抱え込まず、専門家の知恵を借りながら進めましょう。
4.信頼できる支援制度・専門家の活用

外国人採用を進めるうえで、
「制度が複雑で不安」「何から手をつけたらいいかわからない」という声は多く聞かれます。
そんな時は、公的な支援制度や専門家(行政書士・社労士・登録支援機関など)を活用するのが効果的です。
利用できる主な支援制度(抜粋)
- 出入国在留管理庁「外国人材総合相談センター(FRESC)」
複数言語対応。雇用・在留資格・生活支援の無料相談が可能。 - 厚生労働省「外国人雇用対策」関連助成金制度
定着支援や教育研修に関する助成あり(例:特定技能訓練助成など)。 - 自治体独自の支援窓口・補助制度
東京・名古屋・大阪など一部自治体では、外国人雇用に特化した相談や補助もあり。
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- 行政書士(入管業務に強い専門家)
在留資格の選定・変更・更新など、申請実務を正確かつ迅速にサポート。 - 登録支援機関(特定技能の支援義務を代行)
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多言語対応の雇用契約書作成や労働条件トラブルの予防に有効。
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ポイント:
初めての採用でも、「制度を正しく理解し、無理なく運用すること」が何より大切です。
信頼できる支援先とつながることが、長期的な安定経営と定着支援の近道になります。
5.まとめ
外国人採用は、「制度を知る」「文化を理解する」「実務を整える」――この3つの準備が鍵になります。
採用後に「こんなはずじゃなかった」と気づくのではなく、採用前にどれだけ備えられるかが成否を分けます。
特別なことをする必要はありません。
在留資格の確認、雇用契約の説明、日常的なすり合わせ――
一つひとつを丁寧に積み重ねることが、早期離職を防ぎ、信頼を育て、事業の成長につながります。
制度の変化や書類対応など、複雑な部分は専門家(行政書士など)を味方につけるのが最も確実です。
「いい人が来なかった」のではなく、
「いい人が働き続けられる環境を、こちらがつくれているか」を問う。
その視点を持つ企業こそが、外国人採用を成功させています。
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